「簡単」単管パイプで田んぼの物入れを作る

単管パイプを使い田んぼの稲架棒(はさぼう)入れを加工を少なくなる様に考えて作りましたのでご紹介します。

更に!!
出し入れし易い様に柱を可動式にしましたので是非ご覧ください。

single tube pipe roof

動画でも詳しく説明しておりますので是非合わせて見て下さい。
動画は長編の為2部に分けてあります。

第1部

第2部

設計

物を入れるのにあたってどのくらいの大きさなら納まるかを考えましょう。
今回は田んぼの稲架棒を入れるのがメインですので長さが必要でした。

全体の長さと奥行き

稲架棒1本の長さが約6Mですので雨に当たらない様に屋根の長さは少し長めの7Mにしました。
ホームセンターで売っている単管パイプは6Mが一番長かったので3Mと4Mを繋げて使用します。

奥行側の長さはホームセンターで売っている単管パイプの中で一番短い長さの1Mにしました。

屋根の高さと長さ

屋根の高さは2Mの単管パイプを地面に30㎝程埋めた長さの物を取り出し側の柱とし、2Mの単管パイプを55㎝程埋めた長さの物を後ろ側の柱としました。(下部図面参照)

よって物を出し入れする側の屋根の高さは地面から1,7M、後ろ側の屋根の高さは地面から1,45M。

屋根の長さ(奥行側)は波板を使用するのでホームセンターで規格で売っている1,8Mにしました。

背面に雨よけの腰壁

物を出し入れする方から見て後ろ側の柱には腰壁を設け、雨が当たらない様にしました。
腰壁も波板を使用するのでホームセンターで売っている規格の長さで1,2Mという長さがジャストサイズだったのですがそんなものはなかったので2,4Mを半分にカットする方法にしました。

屋根材の種類・取り付ける方法

屋根材は波板を使用しますが、波板にはトタン、ポリカーボネート、塩ビ、ガルバリウム鋼板等の素材の違いがあり、それぞれ特性がありますが、今回は丈夫で光を通さないガルバリウム鋼板製の波板を使用しました。

ガルバリウム鋼板は約20年弱は持つと言われているので驚きです。

波板を単管パイプに取り付ける方法ですが、そういった場合に対応できる様に単管パイプの部材に垂木クランプという部材があり、これを使えば単管パイプに木材を固定できるようになり、固定した木材に波板をビス止めして取り付ける事が可能です。

赤丸で囲んだ部材が垂木クランプです。

ビスで材料を取り付けられるように羽が付いています。

ビスで木材(45角)を取付ければ波板の下地を作ることができます。

設計図

JWWキャドという無料なのにかなり優れもののキャドを使い素人ながら図面を書いてみました。

やはり頭で考えるより形にしていくとわかり易いし材料の計算も簡単になります。

必要な道具・材料

今回使用した道具や材料を記載しておきます。
全く同じ様に作る方は必見!!そうでない人も参考にどうぞ。

道具

  • スケール
    長さを測るマストアイテム。お勧めは伸ばした時に折れずに張りのあるもの
  • スコップ
    柱部分に穴を掘ったりコンクリートを作る時に使用
  • 一輪車
    残土運搬やコンクリートを混ぜるのに使用
  • インパクトドライバー
    14ボルトあればパワーも問題なし
  • 17ミリのソケット(インパクトに取付用)・モンキーレンチ
    単管クランプを締め込む際に必要
  • Φ10mm位の鉄工ドリル
    柱がコンクリートに埋まる部分にアンカーを取り付ける為に使用
  • 高速切断機(人力なら鉄用ノコギリ)
    単管パイプを切断する場合に必要(柱を深く埋められれば必要なし)
  • 発電機
    高速切断機使用時に使用
  • 波板用ハサミ
    波板を切断するために必要(グラインダーでも可)
  • 木工用ノコギリ
    波板の下地材を切断する為に必要
  • 水平器
    単管パイプの水平・垂直の確認
  • 水糸
    何かと真っすぐか確認するので必要
  • 脚立
    波板を張るときに必要
  • 鉛筆・カッター・・・

材料

今回使用した材料です。
参考までに

  • 単管パイプ 4m×4本・3m×4本(長さ方向上下)
  • 単管パイプ 2m×8本(柱前面3本・柱背面5本)
  • 単管パイプ 1m×2本(柱前面2本脱着部)
  • 単管パイプ 1m×9本(奥行き方向)
  • 単管パイプ 1m×2本(脱着柱部筋交い)
  • 単管パイプ 2m×2本(背面部筋交い)
  • 単管パイプ 1.5m×5本(屋根出幅方向)
  • 木材45角 4m×7本・3.2m×7本(屋根・腰壁波板下地)
  • ガルバリウム鋼板波板 1.8m×13枚(屋根用)
  • ガルバリウム鋼板波板 2.4m×7枚(腰壁用1.2m×13枚にする)
  • 直交クランプ 約50個(単管パイプを直角に交差させて固定する際使用)
  • 自在クランプ 約10個(単管パイプを直角以外に交差させて固定する際使用)
  • 垂木クランプ 約35個(波板下地を取り付ける部分に使用)
  • 直線C型ジョイント 4個(長さ方向の連結部に使用)
  • 単管直管継ぎ 2個(脱着柱部に使用)
  • M8ボルト L=40mm×4個(脱着柱固定用)
  • M8ボルト L=150mm×8個(柱コンクリート埋設部のアンカーに使用)
  • ポルトランドセメント 25キロ×4体(柱部コンクリート)
  • 砂・砂利 20キロ×各15体(柱部コンクリート)
  • 野縁(木材) 30×40 L=1800×6本(柱等仮固定用)
  • テクスビス 太さ4mmL=50位(仮固定用)
  • 金物固定ビス 太さ4mm×L=35mm位×150本(波板下地をクランプに固定する時使用)
  • 波板用ビス 太さ4mm×L=35mm位×300本(波板取付用)

作業に取り掛かる

まずは設置する場所の選定だが、なるべく平らで広い場所、地面が石だらけだとやりにくいので良く検討します。

今回は依頼主の希望の場所に設置することになりました。

位置決め・墨出し

大体の場所を決めたら柱が立つ場所一つずつ印をしていきます。
この際要らないカラースプレーがあると印をするのに便利です。

今回は柱が1.7mピッチで入るので正確に印をしていきます。
四隅が直角になる様にするのがポイントです。

ここに直角の求め方を記載しておくので参考にしてください。

斜辺(5000の場合)を求める方法
5000=√(4000²+3000²)
5000=ルート(4000二乗足す3000二乗)

5000=√16000000+9000000
5000=√25000000
5000=5000になります。

知らない方のために計算方法です。
底辺と高さは任意の数字でできます。

位置が決まったら穴を掘る印をします。
柱を中心として30㎝角~40㎝角の大きさにします。

大変だからと穴を小さくしてしまうと後々に柱が沈んでしまったり、最悪の場合強風で小屋が吹き飛ばされてしまう事もあるので気を付けましょう。

穴掘り・転圧

掘る深さは前側の柱は40㎝、後ろ側の柱は65㎝が基本になります。(柱の埋め込み深さより10㎝深く掘る)

後ろの柱を切断する場合はもう少し浅くしての良いでしょう。

注意 必ず30㎝以上掘りましょう。
掘った土は要らなくなるので置き場所を確保しておきます。
土を運搬するのに一輪車は必須です。

柱を埋め込む深さより10㎝深く掘る理由は柱の埋め込み高さまで砂利を入れて柱が沈みにくくなる様にするためです。
穴が掘れたらコンクリートブロックの様な重たくて頑丈な物で穴の中の土を叩き固めます。(転圧という)

固めたら砂利(ホームセンターで20キロ200円位で売っている)を埋め込み高さまで入れます。
その辺りに転がっている石を集めて代用しても構いません。

組み立て

単管パイプを組み立てていきます。

柱を建てる

写真の様に単管クランプで繋げていく訳ですが、最初に立てる柱は仮押さえ用の棒で固定しておきます。

※注意 穴に入る部分の柱には下記のアンカー棒を刺しておきましょう!!
柱がコンクリートと密着する為のものでかなり重要な部品です。

すべての柱の下から10~15㎝辺り上にアンカー棒と言うのもを取り付けます。

鉄工ドリルのΦ10mm位で貫通穴を開け、M8のボルトや鉄製の棒を刺しておきます。

穴に対してゆるゆるでOKです。

直交クランプを使い前後柱(2m)、奥行側のパイプ(1m)を組み立てます。

単管クランプは単管をハメてボルトをパコっとハメて締め込むだけです。

対辺17mmのソケットやスパナ、モンキーレンチで締め込みます。

全ての柱を仮り組みしておいて連結していくと楽に組み立てる事ができます。
もちろん長さ方向の単管パイプともクランプを使って繋げます。

屋根のパイプを組み立て

全ての柱が連結出来たら屋根のパイプを繋げていきます。
両端の柱(長さ方向)の前と後の柱の上端に屋根の単管パイプ(1,5m)を自在クランプを使って組み立てていきます。

屋根のパイプは前の柱側に伸ばして取り付けます。(図面参照)

両端の柱に屋根のパイプを組み立て出来ましたら、水糸を使って他の屋根パイプを組み立てる目安を作ります。

目安に従って残りの屋根も組み立てていきます。

両端から2本目の柱は前側の柱が可動式になるので、後ろの柱と屋根のパイプを筋交い(1m)として組み立てます。

屋根のパイプが自重で下がるので高さを合わせるのが難しかったです。

屋根の単管パイプを全て取り付けたら、赤丸の長手(7m)の単管パイプも取り付けていきます。

波板の下地を作る

屋根の単管パイプに垂木クランプをパイプ1本につき4ヶ、等間隔に取り付けます。
水上、水下の垂木クランプはなるべく端部に取り付けます。
下地に使う45角の木材を垂木クランプに当てがいながら固定すると水平に取り付ける事ができます。

同時に腰壁部分の垂木クランプも付けていきます。
腰壁部分は後ろの柱に垂木クランプを付けますが、波板の長さが1.2mなので波板の上下の端から10~15㎝中に入れた場所に垂木クランプを留めましょう。

ポイントは下地のピッチが50センチ以下になるようにすることです。

垂木クランプを付けたら垂木クランプに下地木材(45角)をΦ4mm*30mm位のビスで取り付けます。
下地木材も7mの材料は無いので途中で繋ぎます。

つなぎ目は下から補強の木材を入れてコーススレッドビス75mmで沢山留めました。
更に補強で裏側に金物も入れておきました。

波板の取付

屋根又は腰壁の両端部に波板を一枚ずつ仮に張ります。
波板用の笠が付いた専用のビスで波板下地の木材に固定します。

写真の様に波板から少し離した位置に水糸を張り、水糸に平行になる様に波板を張っていきます。
ガルバリウム鋼板波板は下穴を開けなくても留める事はできますが、初めてやる人は鉄工ドリルΦ4.5mmで穴を開けた方がいいと思います。

波板は少し重ねて次の波板を張ります。
重ねる巾は2.5山分重ねます。

そうするとビスを留めるピッチが6山おきになります。

屋根と腰壁の波板を張り終わった写真です。

最後の波板が余分に余った場合は切らずに、2.5山以上重ねてしまえばいいですよ。

風の強い地域や不安な方はビスを多めに留めましょう。

柱にコンクリートを入れる

穴を掘って柱を入れただけでは小屋自体が飛んで行ったり、沈んでしまったりしますので、柱の根本は確実に固定する必要があります。
そこでコンクリートを作り流し込めば、固まって動かなくなりますね。

ホームセンターに砂、砂利、ポルトランドセメントが売っていますのでそれらを混ぜてコンクリートを作ります。

それぞれの袋に混ぜ合わせる量が書いてありますのでそれを参考に作れば誰でもコンクリートを作る事ができます。
大体セメント1・砂2・砂利3の割合で書いてあることが多いですが、一度にこの量を作るのは大変なので、自分は砂1・砂利1・セメント0.3位の割合で作っています。

今までこの作り方で強度に不安を感じたことはありませんので大丈夫だと思います。
ただ水加減が多すぎると強度が低下してしまう可能性があるので注意が必要です。

作ったコンクリートは地面と平らになるまで入れるのがベターです。
降雨後の乾きも早くなるので柱が腐るのを防ぐメリットがあります。

可動柱の取付け

両端から2本目の前柱は写真の様に横に可動するので物の出し入れが簡単に出来るようにしました。

用意するもの・・・単管パイプ1M*1・クランプタイプではないジョイントタイプの直線ジョイント(ネジで留めるやつ)*1・M8ボルト3㎝*2本・自在クランプ*1・S字フック大きい物

まずは可動柱を取り付ける柱の上に1Mのパイプを乗っけます。
乗っけたパイプの上部と屋根のパイプとを自在クランプで繋ぎます。
この時追加したパイプは垂直に建てて下さい。

自在クランプは追加したパイプにはしっかり固定し、屋根のパイプには軽く外れない程度に固定します。(可動するようにするため)

写真の赤丸部分にあるクランプが先ほど取り付けた可動用のクランプです。

そのクランプのすぐ水下側の屋根パイプの下側にテクスネジをネジ頭が少し飛び出した状態で取付け、クランプのずれ防止にします。

直線ジョイントにネジが2つ付いているので外します。
ネジが付いていた穴2つを鉄工ドリルのΦ7mmで拡張します。

直線ジョイントはアルミニウム製なので簡単に穴が開くと思います。

直線ジョイントを可動柱下部と下の柱のつなぎ目にジョイントの真ん中が来るようにセットします。

先ほど開けた穴から単管パイプにもΦ7mmの穴を開けます。

下穴で4mm位の穴を先に開けておくと早く開きます。

7mmの穴が開いたらインパクトにM8のタップ(ネジを切る工具)をドリルチャックを使って取付しネジを切ります。

ネジを切るときはかなーりゆっくりと回転させて、一歩進んで2歩下がる様に開けます。

この時CRCなどの潤滑剤をタップにかけておくと折れる心配が軽減します。

単管パイプまでネジが切れたらM8のボルトを差し込みます。(2本)
これで下の柱と上の可動柱が固定されました。

物を出し入れする時はジョイント部分を上か下にずらして横にスイングさせると可動柱が上に収納されてスムーズに物の出し入れができますよ。

完成

写真左の可動柱は可動させた状態で物を出し入れできる状態。
写真右の可動柱は普段作業が無いときに柱として機能している状態です。

制作するのに加工が必要だった物所は・・・
後ろ側の柱を切断
柱全てにアンカー棒の穴あけ
屋根の下地木材の切断
腰壁用の波板の切断

加工はどれも最悪手動で出来るものなので、最低限インパクトドライバーがあれば制作することができますよ。

動画でも紹介していますので見て頂くとより理解しやすいと思います。
長編の為2部に分けてあります。

【DIY】単管パイプで簡単屋根作り!!全部見せます パート1

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